■2005.3.27特定口座への入庫
経営者のためのやさしい一口解説

タンス株の特定口座への入庫は平成 16 年 12 月 31 日で期限切れとなりました。しかし、平成17 年度の税制改正により一定の条件のもと、改めてタンス株の特定口座への受入れが認められることになりました。

1.特定口座制度の概要

特定口座制度とは、証券会社が納税者に代わって、上場株式等の譲渡所得等の計算を行い、納税者が上場株式等の譲渡所得等について簡易に申告・納税することができる制度をいいます。

源泉徴収ありの特定口座を選択した場合、証券会社が取引の約定日ごとに源泉徴収を行ってくれるため基本的には確定申告は不要となります。

また、源泉徴収なしの特定口座の場合でも「年間取引報告書」を用い、簡易に確定申告書を作成することができます。

なお、譲渡損失の繰越など一定の特例等の適用を受ける場合には、特定口座を利用した場合でも確定申告をする必要があるので注意が必要です。

2.特定口座入庫の際の変更点

タンス株の特定口座への入庫は平成 16 年 12 月 31 日の期限到来により廃止されました。しかし、平成 17 年度の税制改正により、平成 17 年 4 月 1 日から平成 21 年 5 月 31 日までの間に、一定の要件のもと、実際の取得価額により入庫することが可能となりました。

従来の制度では、特定口座への入庫に際する取得価額は @実際の取得価額 A取得日の終値 Bみなし取得価額(平成 13 年 10 年 1 日の終値の80%)の3 つの価額を自由に選択することができました。しかし、改正後の制度では取得価額が不明なものについては入庫が認められませんので注意が必要です。

3.特定口座内株式の清算等の損失

平成 17 年 4 月 1 日以降、特定口座で管理されていた上場株式等が、発行会社の清算結了等によって無価値化した場合には、その無価値化した株式について譲渡があったものとみなして、損失の金額のうち一定金額を譲渡損失として、譲渡所得の計算をすることができることとなりました。この制度は特定口座内の株式にのみ適用があり、特定口座を利用した場合のメリットといえます。

      資料提供
      税務研究会 税研情報センター
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■2005.3.26土地・建物等の譲渡損失に注意を!
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平成16 年分の確定申告がスタートしていますが、平成16 年度の税制改正により、不動産の譲渡損失の取扱については大きく改正されているため、申告にあたってはその取扱に充分注意して申告する必要があります。

新聞等の報道により、既に周知されていることと思いますが、税制改正により平成16年 1 月 1 日以後に行なう土地・建物等の譲渡損については無かったものとみなされることになり、特定居住用財産の譲渡損失など特定のものを除き、原則として他の所得との損益通算や繰越控除・繰戻し還付の対象とならないことになっています。

この税制改正による影響は、土地建物等の譲渡損失を他の所得と損益通算することができないだけでなく、他の所得の損失を土地建物等の譲渡益と損益通算すること、前年からの純損失の額を、当年の土地建物等の譲渡益から控除することも出来ないという点があげられます。

所得税では、青色申告者は当年の損失を3 年間繰越して、翌年以後の所得からその損失を控除することができる繰越控除の制度と、一定の要件のもとに当年の損失を前年の所得から控除して、前年分の所得税を還付してもらうという繰戻還付の制度があるため、従来は不動産等で大きな譲渡損失が出た場合にもこれらの制度を利用して申告することができましたが、平成16 年分の申告からは、不動産の譲渡損失を翌年以後に繰越すことも、前年に繰戻すことも原則として出来ないことになったわけです。

一方で、平成15 年分から繰り越されてきた純損失の金額については、平成16 年分に生じた土地建物等の譲渡益からは控除することができないのですが、土地建物等の譲渡益以外の他の所得からは控除できるという点に留意する必要があります。

また、平成16 年分に生じた純損失の金額について、純損失の繰戻し還付請求をしようとする場合には、平成15 年分の土地建物等の譲渡所得の金額に係る所得税に対しては繰戻還付請求をすることができないということも覚えておく必要があるでしょう。

今までは不動産の譲渡損失を給与所得や事業所得といった他の所得と損益通算をしたり、青色申告者は青色申告の特典である、純損失の繰越控除・繰戻還付といった制度を利用することで節税を図っていた従来と比べると、かなり大きな違いといえます。

平成16 年分の確定申告にあたっては、他にも配偶者控除と配偶者特別控除の併用が無くなったり、長期譲渡所得の100 万円の特別控除が廃止されたりと今までと変更点が多いため、充分注意して間違いのないように申告したいものですね。

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■2005.3.26相続時精算課税とその活用
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平成15 年度の税制改正により創設された相続時精算課税制度(以下「新規定」という)は、相続と贈与の一体化を前提とした新しい課税制度です。

新規定は政府の「高齢者の保有する資産を早い時期に次世代へ移転すること」を主な目的として創設されました。

「親から子への贈与が、2,500 万円までなら無税で実行できる。」「子が住宅を取得するための資金であれば3,500 万円までの贈与が無税でできる。」等々、創設当初は、マスコミ等でも広く取り上げられたことから施行されて間がない規定とはいえ、一般に周知度が高い規定の一つです。

しかし専門家の間では、「相続税対策の一環として税金の軽減を意図するのであれば、新規定の適用では税効果は期待できないのではないか」「将来の予測が困難な現状で、適用を受けることはリスクが高い」等、新規定の適用に当たっては消極的な意見が多かったのも事実です。

実際の申告の状況はどうだったのでしょう平成 16 年 3 月、最初の申告が終わって、新規定の適用実態は?・・・以下の通りです。

相続時精算課税適用者  約78,000 人うち住宅資金贈与を受けた者 約26,000 人
                   うち税額があった者 約4,000 人

約95%の人が贈与税の負担なく、何らかの財産の贈与を受けたことになります。裏返せば、5%の人は 2,500 万円(住宅取得資金は 3,500 万円)を超える財産の贈与を受けたことが窺えます。

新規定の適用を受けない場合、取得財産の課税価格が1,000 万円以上となると50%の贈与税が課税されます。このため、多額の財産の贈与をしたくても二の足を踏んでいたようなケースにおいて新規定の適用は、検討する価値が充分にあったものと思われます。

「多額の財産の贈与ケース」とは次のようなケースが考えられます。

@事業承継の一環として同族会社の株式を後継者へ贈与する。
A所得の分散を目的とした相続対策として賃貸用不動産を相続人へ贈与する。

これらのケースは、新規定の有効活用として当初から専門誌等でも取り上げられてきました。ところが実際には、事業承継や税負担軽減対策のほかの目的で活用されている場面も多いようです。

ここで、将来の相続人の争いを軽減させることを第一の目的として新規定を適用した事例をご紹介します。

<事例紹介>

贈与者の次のような強い希望により、新規定の適用を受けて賃貸用不動産を長女へ贈与しました。

@ 将来、自分(=贈与者。夫は先に死亡。推定相続人は長男、次男、長女。)に相続が発生した場合には、長男・次男と長女との間で遺産分割協議の成立は困難であることが予想される。長女に不利な分割となるであろう。

A 遺言書は作成するが、それだけでは不十分と考える。自分が死亡後、未婚で自分の介護をするため無職となった長女の生活の糧として賃貸用不動産を、自分の意思で生前に長女に贈与したい。

B 自分が元気なうちに、長女の生計の基礎を見届けたい。将来、相続税の負担が多くなったとしても、今、賃貸用不動産を贈与して、安心したい。

上記のように新規定は、相続人間でのトラブル回避策の一つとしても活用されているようです。今後も、さまざまな場面での活用が予想されます。生前贈与は、人間関係の円滑化にもつながります。

争続 .. 対策のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか?

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■2005.3.26個人の増税動向
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平成16 年度以前の税制改正において平成17 年1 月1 日から適用されることとなっている増税項目がいくつかあります。また、昨今の政府税制調査会の議論を聞いていると個人にとっては今後さらに厳しい増税が待ち受けているようです。

1. 平成 17 年 1 月 1 日から適用される個人の増税項目
平成 17 年 1 月 1 日から適用となる主な増税項目をまとめると以下のとおりです。

項目内容
公的年金等特別控除の縮小65 = 歳以上の上乗せ部分が廃止
老年者控除の廃止 = 65 歳以上の老年者控除50 万円(住民税 48 万円)が廃止
住宅取得等特別控除の廃止 = 対象借入金限度額、控除率は平成20 年まで順次縮小
消費税免税点の引下げ = 平成15 年の課税売上高が 1,000 万円(改正前は 3,000 万円)超の場合は納税義務者に
簡易課税適用基準の引下げ = 平成 15 年の課税売上高が 5,000 万円(改正前は2 億円)超の場合は簡易課税適用が不可に

上のように、特に65 歳以上の方や個人事業者の方にとっては大きな増税となる可能性があります。個人事業者の場合には多くの方が新たに消費税の納税義務者になることが予想されますので、今後の資金繰りや各種届出書の提出などに注意が必要となります。

2. 今後の動向
最近の政府税制調査会の議論の方向性は個人に対する増税の方向で話が進んでいるようです。具体的には平成11 年に景気対策を目的として導入された定率減税(所得税20%(上限25 万円)・住民税15%(上限4 万円))の廃止縮小や配偶者控除などの各種所得控除の廃止縮小について検討されているようです。

特に定率減税については2 年間の段階的な廃止が検討されるなどかなり具体的に検討されているようです。仮に定率減税が廃止された場合には国、地方合計で3 兆3 千億円の増税になるといわれており、個人への影響は夫婦子二人の年収1,000 万円の世帯では年間178,000 円の増税となり大きな影響を受けることになります。

消費税の税率引上げや社会保険料等の負担増なども含め、今後個人に対する負担は益々増えていく方向には間違いないようですので、今後の展開にはしばらく注目が必要です。


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