2003.9.8役員退職慰労金の分割支給
経営者のためのやさしい一口解説
 

資金繰りの悪化から、退任する役員の退職慰 労金を一括で支払うことが困難になり、何年か に分割して支払うケースが増加しているといい ます。役員の退職慰労金は、適正額であれば法 人税法上の損金に算入されることに問題はありません。

分割支給の場合には、当然ながら
支払われる退職慰労金の総額が適正額かどうかが 判断基準となりますが、それとともに、いつ損金に計上するか、源泉徴収をどうするかにも注意を払っておく必要があります。

法人税の取扱いでは、役員退職慰労金については、支給が決議されて支払いが確定したときに損金算入することを原則としながら、
実際に支給したときに損金算入することも認めていますが、いずれの場合も損金経理することが条件になります。つまり、 役員退職慰労金××× 現金××× という仕訳が要求されるということです。

一般的には、役員退職慰労金は、株主総会で支給することを決議し、具体的な支給金額と支給時期は取締役会に委任し、それを受けて取締役会が決定して支給する、という流れになるで しょう。この場合には、取締役会が具体的な支給金額を決めたときか、それを実際に支給したときに損金経理すれば、損金算入されることに なります。

分割支給の場合には、支給が何回かに分かれることになりますので、果たして支給の都度何回かにわたって損金経理をした場合でも損金算 入が認められるのか、という疑問が出てきます。

結論から言えば、退職慰労金を一括して支給することが困難な事情があるならば、分割支給の都度損金経理をしても認められることとなります。 つまり、
@
支給総額が決定したときに一括して損金経理をするか、A支給する都度損金経理をするかは会社の任意、ということです。

しかし、その分割支給が資金繰り等の事情のためではなく、利益操作的な意図に基づくものであれば、支給の都度損金算入することが認められない危険性があります。事前によく確認し ておくことが必要でしょう。

一方、退職慰労金についての源泉徴収は、従業員退職金と同様に退職所得控除額を控除して徴収税額を決定しますが、分割支給の場合には、 予め支給総額に基づいて計算された源泉徴収税額を実際の支給額に応じて徴収していくことに なります。

たとえば、役員退職慰労金の総額が4,000 万円で、1年目に2,000 万円、2 年目と3 年目に1,000 万円ずつ支払うこととした場合、在任期間が20 年であるとすれば、退職給与にかかる源泉徴収税額は総額で357 万円になります。これを支給額に応じて、1 年目は178 万5,000 円(357 万円 ×2,000 万円/4,000 万円)、2 年目と3 年目は89 万2,500 円(357 万円×1,000 万円/4,000 万円) ずつ支給の際に徴収して納付することになります。

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     税務研究会 税研情報センター
     101-0065 東京都千代田区西神田1-1-3
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2003.8.7相続時精算課税制度のからくり
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相続税・贈与税制度に新しく設けられた相続時精算課税制度は、
20 歳以上の子が65 歳以上の親からの生前贈与について2,500 万円まで贈与税が非課税となるものです。この年齢は、贈与があった年の 1月 1 日時点で判定されるので、平成 15 年 1 月 1 日に65 歳以上である親は昭和 13 年 1 月 2 日以前の生まれであること、子は昭和58年1 月2 日以前の生まれであれば年齢条件をクリアすることになります。

なぜ、この制度は、贈与者である親の年齢は65歳以上であること、とする条件を設けたのでしょうか。そのくらいの親世代は、若い世代に比べて多額の資産があるということが理由のひとつではありますが、それだけではないようです。65 歳以上としたのには、日本人の平均余命も関係しているようです。

相続時精算課税制度を選択した親からは、
その後、相続が起こるまで制度の適用を受け続けることになります。いったん選択したら、年110万円が非課税となる基礎控除の方を使うことも、110 万円基礎控除に変更することもできません。基礎控除以下の少額の贈与であっても、贈与があれば毎年、相続の時まで贈与税の申告が必要になります。

つまり、65 歳以上の親に相続が起こるまでの間、税務署は精算課税制度を選択した納税者の贈与税申告をずっと管理し続けなければならないわけです。平均余命を男女とも85 歳位とすれば、それまでの年数、少なくとも20 年間くらいの間は納税者を把握していなければ、相続時に生前贈与分と合わせて精算し、相続税を課税するといったことはできないからです。

昭和50 年にできた制度で、農地を相続した農業相続人が20 年間農業を継続すれば、納税猶予された相続税が免除されるという特例があります。税務署は、この制度をこれまで運用してきた実績があるので、20 年くらいの納税者管理は実務的にも問題なく対応できるということこともあるようです。

もっとも、生前贈与を行いやすくすることが目的の制度ですから、年齢制限を65 歳ではなくて70 歳、75 歳以上などとしたら、制度の趣旨を損なうことになります。親が75 歳を超えていれば、子は40 歳代の後半から50 歳代にもなるわけで、住宅取得資金や教育資金などを最も必要とする時期は過ぎてしまっていて、せっかくの財産が活かされない、景気にも貢献しないということになります。

相続時精算課税制度は、生前の贈与でも相続でも、両者の税負担に差が生じないように考えられて設計された制度です。2,500 万円という非課税枠も、相続人が妻と子2 人という平均的な場合に、相続税の基礎控除が8,000 万円(5,000万円+1,000 万円×3)で、相続人の1 人あたりの基礎控除額は8,000 万円の約3 分の1の2,500万円になることからきているともいわれています。財産が多額にある場合などでは、かえってデメリットが生じる可能性もあるというのも、こうした制度設計によるものといえるでしょう。

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2003.7.12事業者免税点引下げにより新たに課税事業者となる方へ

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消費税法の一部が改正され、平成16年4月1日から適用されることとなっています。
 
事業者免税点が引き下げられます。
この改正は、平成16年4月1日以後開始する課税期間から適用されます。したがって、
個人事業者は平成17年分から事業年度が1年である法人については平成17年3月決算分

個人事業者の平成17年分の基準期間は平成15年分事業年度が1年である法人の平成17年3月決算分の基準期間は平成15年3月決算分となります。

課税売上高とは、 消費税が課税される取引の売上金額(消費税及び地方消費税の額を除きます。)と輸出取引等の免税売上金額の合計額からこれらの売上高こ係る売上返品、売上値引売上割戻し等に係る金額(消費税及び地方消費税の額を除きます。)の合計額を控除した残額をいいます。なお、免税事業者には消費税が課税されませんから、基準期間が免税事業者であった場合の売上金額は、税抜き処理を行わないこととなります。

注 課税売上げには、棚卸資産の販売代金や請負工事代金、サービス料などのほか、機械の賃貸収入や棚卸資産以外の資産の譲渡代金(機械、建物等の事業用資産の売却代金)等も含まれます 。

平成16年4月1日以後最初に開始する課税期間の直前の課税期間(個人事業者につい ては平成16年分、事業年度が1年である法人については平成16年3月決算分から平成17年2月決算分まで)において納税義務が免除されていた事業者が、平成16年4月1日以後開始する年又は事業年度の基準期間における課税売上高を計算する場合において、次のすべての要件を満たす場合には、平成15年10月1日から平成15年12月31日までの期間の課税売上高を4倍した金額を基準期間における課税売上高とすることができます。
  @ 基準期間の初日が平成15年4月1日前であること
  A 基準期間における課税売上高を計算することにつき困難な事情があること


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■2003.5.8パソコン等 IT投資減税

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平成15年度税制改正では、パソコンなど8種類の IT関連機器とソフトウエアを対象とする「IT投資促進税制」が創設されました。中小企業者については、対象資産を問わずに、取得価額30万円未満の減価償却資産を即時償却できる特例措置が設けられています。

IT投資促進税制は、
@電子計算機、Aデジタル複写機、Bファクシミリ、CICカード利用設備、Dデジタル放送受信設備、Eインターネット電話設備、Fルーター・スイッチ、Gデジタル回線接続装置、Hソフトウエア、の9品目が対象で、平成15年1月1日から18年3月31日までの特例として措置されました(対象設備は、従来からある特例「中小企業投資促進税制」での対象設備とは若干異なっていて、上記の IT関連設備に限定されています)。 この特例は、@〜Gの機器の取得価額の合計が、事業年度またはその年分で140万円以上(資本金3億円以上の法人は600万円以上)となれば、取得価額の50%の特別償却、または取得価額の10%相当額の税額控除ができるというものです(ソフトウエアの場合は70万円以上。資本金3億円超は600万円以上)。

一方、パソコン等に限らず、
取得価額30万円未満の減価償却資産であれば事業供用を条件として何でも即時償却できる特例の方は、中小企業者だけの制度となっています。
 パソコンをはじめとする、いわゆる IT関連機器についての税務処理、投資減税制度をまとめると次のようになります。特例のダブル適用はできないので、効果を比較検討して利用することになるでしょう。

1台あたりの取得価額
   10万円未満の場合・・・少額減価償却資産として損金算入
   20万円未満の場合・・・一括償却資産として3年で均等に損金算入
   30万円未満の場合・・・少額減価償却資産の特例で即時償却

1台あたり、またはその事業年度(年分)での取得価額の合計
   100万円以上の場合・・・「中小企業投資促進税制」30%特別償却等
   140万円以上の場合・・・「IT投資促進税制」50%特別償却等

IT投資促進税制は、対象設備をリースで導入する場合で、
リース費用総額が200万円以上(ソフトウエアは100万円)であれば税額控除を適用することができます。中小企業投資促進税制では、リース契約期間が5年以上などとされていたので、パソコンのリースには使えませんでしたが、今度の IT税制は4年以上であればよいことになっています。

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2003.4.2430万円未満の少額減価償却資産の全額損金算入

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中小企業者等が、平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に取得価額が30万円未満の減価償却資産を取得した場合には、その取得価額の全額を損金に算入することができることになります。

ここでいう「中小企業者等」とは、資本金(資本積立金を含む。)の額が1億円以下等の中小法人や従業員が1,000人以下の個人事業者などをいいます。

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■2003.4.24相続時精算課税制度の創設
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新制度のあらまし
一定範囲の生前贈与については、選択制により、生前贈与時に軽減された贈与税を支払い、その後の相続時に生前贈与財産と相続財産の合計額をもとに計算した相続税から、すでに支払った贈与税を控除して精算する贈与税・相続税を通じた納税方式によることができることになりました。

相続時精算課税制度による贈与税の課税
  @適用できる贈与

   65歳以上の親から20歳以上の子である推定相続人(代襲相続人を含
   む)への贈与が対象となります。
  A適用対象財産等
   贈与財産の種類や金額、贈与回数に制限はありません。
  B非課税枠

   受贈者単位で
2,500万円まで(複数年の贈与については、合計額が
   2,500万円に達するまで)は、贈与税は課税されません。
  C適用税率
   2,500万円を超える部分の金額について20%の税率が適用されます。
  D贈与税額の計算
   この制度を選択した受贈者は、選択した年分以後のこの制度に係る
   贈与者からの贈与財産については、他の贈与財産と区別して、その
   贈与者からの贈与財産の累積額をもとに計算した各年分の贈与税
   額を申告し、納税しなければなりません。
  E適用時期

   平成15年1月1日以後の相続または贈与から適用します。

相続時精算課税制度による相続税の課税
この制度を選択した受贈者は、この制度に係る贈与者からの相続時に選択した年分以後の生前贈与財産と相続財産とを合算して現行の課税方式により計算した相続税額から、すでに支払ったこの制度に係る贈与税相当額を控除して、納付すべき相続税額を計算します。

申告手続
この制度を選択しようとする受贈者は、適用を受けようとする最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、贈与税の申告書にその旨の届出書を添付して提出しなければなりません。

相続時精算課税制度を選択した場合は、相続開始までこの制度が継続して適用されます。


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2003.4.24住宅取得資金に係る相続時精算課税の特例の創設
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新制度のあらまし
20歳以上の特定受贈者(贈与者の直系卑属である推定相続人)が自己の居住用である一定の家屋を取得するための資金または自己の居住用家屋について一定の増改築のための資金の贈与を受けた場合には、贈与税の課税上、最高1,000万円の特別控除額を控除することができます。
この特例は、65歳未満の親からの贈与についても適用されます。
この特例による特別控除額は、相続時精算課税制度の非課税枠の上乗せ措置となっています。

適用時期

平成15年1月1日から平成17年12月31日までの間に贈与により取得する金銭について適用されます。


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2003.4.24旧住宅取得資金等の贈与に係る贈与税の特例の経過的存続
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従来の住宅取得資金等の贈与に係る贈与税の特例は、相続時精算課税制度を選択しない受贈者が平成17年12月31日までの贈与により取得した住宅取得資金等について、適用することができます。

旧住宅取得資金等に係る贈与税の特例の適用を受けた者は、その後5年間は、その贈与者からの贈与について、相続時精算課税制度を選択できません。

       
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2003.3.16少額配当で住民税のみに申告義務の例も

改正消費税ビジュアルチェック

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